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デカフェ(カフェインレス)Decaf

デカフェは何の略?

デカフェとは、英語の「decaffeinated(略:decaf(ディーキャフ)」から名付けられた言葉。 「カフェインを除去した」という意味で、ディカフェ・カフェインレス・カフェインフリーとも呼ばれています。

カフェインレスコーヒーと聞くとまずい、身体に良いことはひとつも無さそうと思いがちですが、カフェインレスコーヒーが持つポリフェノールの効果は体の中で発生してしまう酸化を防いでくれます。
日常的に感じてしまうストレスや疲れを和らげて体を楽にしてくれるので妊娠中でも安心して飲むことができるのがカフェインレスコーヒーです。

お値段は高めですが驚くほど美味しいです。
昔のケミカル抽出法からと造工程が変わりウォータープロセス(水抽出法)や超臨界液体二酸化炭素抽出法により遜色ないレベルの美味しさを再現しています。

カフェインが含まれるもの

カフェインは、コーヒー豆やカカオ豆、茶葉などに天然に含まれており、コーヒーと茶がカフェインの主要な摂取源となっています。
また、コーヒー豆や茶葉から抽出されたカフェインは苦味料等の用途で食品添加物として登録されており、清涼飲料水などに人工的に添加される場合もあります。
さらに、カフェインは風邪薬や眠気防止薬、酔い止め薬等の市販の医薬品にも含まれていることがあります。

食品中のカフェイン濃度  

エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料(清涼飲料水)・・・2~300 mg/100 mL
コーヒー(浸出液)0.06 g/100 mL(=60 mg/100 mL)

エナジードリンクのカフェイン含有量は驚きの数値です!

食品名カフェイン濃度備考
エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料
(清涼飲料水)
32~300 mg/100 mL
(製品1本当たりでは、36~150 mg)
製品によって、カフェイン濃度及び内容量が異なる。
コーヒー(浸出液)0.06 g/100 mL
(=60 mg/100 mL)
浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL
インスタントコーヒー(粉末)4.0 g/100 g
(2 g使用した場合、1杯当たり80 mg)
 
玉露(浸出液)0.16 g/100 mL
(=160 mg/100 mL)
浸出法:茶葉10 g、60℃湯60 mL、2.5分
せん茶(浸出液)0.02 g/100 mL
(=20 mg/100 mL)
浸出法:茶葉10 g、90℃湯430 mL、1 分
ほうじ茶(浸出液)0.02 g/100 mL
(=20 mg/100 mL)
浸出法:茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分
玄米茶(浸出液)0.01 g/100 mL
(=10 mg/100 mL)
浸出法:茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分
ウーロン茶(浸出液)0.02 g/100 mL
(=20 mg/100 mL)
浸出法:茶葉15 g、90℃湯650 mL、0.5 分
紅茶(浸出液)0.03 g/100 mL
(=30 mg/100 mL)
浸出法:茶葉5 g、熱湯360 mL、1.5~4 分
抹茶(粉末)3.2 g/100 g
(お湯70 mLに粉末1.5 gを溶解した場合、カフェイン含有量48 mg)

カフェインを添加した食品・医薬品は成分表示に含有量が記載されている場合が多いので、実際どの程度カフェインが含まれているかについてはそちらをご確認ください。

(参考)
既存添加物名簿(公益財団法人  日本食品化学研究振興財団)
https://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-12.html?OpenDocument

ケミカルプロセス(有機溶媒抽出法)

私も学生時代お茶と紅茶とコーヒーでカフェインの含有量の実験で行ったことがあります。
お茶も紅茶もかなりカフェインは多かったことを記憶しています。

この方法はちょっと飲むためのコーヒーのカフェインレスにするために有機溶媒を使うかなり怖い方法です。

1900年頃にドイツで開発され化学の力でカフェインを除去します。当時はベンゼンなど(発がん性のある有機溶剤)を使用しカフェインを除去していたようですが、毒性が強い為、少しずつ進化し、現在では毒性の弱い溶剤(ジクロロメタン等)に替わっているようです。

蒸気で膨潤させたコーヒー生豆を抽出槽に充填し、有機溶媒を通してカフェインを抽出、除去します。直接生豆が薬品に触れることになり、安全性が問題視されています。有機溶媒抽出法は、欧米では流通していますが日本への輸入は認められていない為、飲まれることはありません。カフェイン以外の成分も大きく損失する為、風味が劣るといわれています

当店で扱っているもうはこのタイプです。

ウォータープロセス(水抽出法)

スイス(Swiss Water®Process/SWP)メキシコ(Mountain Water Process/MWP)

その名の通り生豆を水(熱湯)に浸し成分を抽出し、カフェイン分子のみを通さない有機溶媒フィルターでこします。生豆から抽出した水に有機溶媒を使用するため、直接生豆に薬品を使用しない安心安全な工程で作られています。

カフェインのみが抽出された成分を生豆に戻し乾燥します。

カフェイン以外の成分の損失をあまりせず、生豆に旨味成分を戻すことで、風味が豊かなデカフェが作れます。日本でも様々な所で飲む事ができます。

メキシコHGデカフェmountain Water processは大変好評です。

メキシコ(Mountain Water Process/MWP)

超臨界二酸化炭素抽出

ウォータープロセスでは、生豆からコーヒーの成分を全て抽出してしまうので、どうしても失われてしまう成分があります。コーヒーの美味しさには様々な成分が融合して味わいになっております。そこで、この超臨界液体二酸化炭素抽出法は、コーヒーの旨味成分を殆ど失わずにカフェインだけを除去する方法です。超臨界とは、二酸化炭素を温度31℃、超圧力(200気圧)の条件下で、液体でも気体でもない水の密度に近い流体と言われる状態の事です。容器に生豆を入れスチームで加湿し、超臨界二酸化炭素を投入、カフェインをしっかり抽出する為に何度も循環させる。二酸化炭素を気体に戻し、カフェインを回収して生豆を乾燥させる。

カフェインの作用

眠気覚ましなどをうたってカフェインを添加した清涼飲料水が多数販売されていますが、カフェインの過剰摂取には注意が必要です。飲み過ぎに注意しましょう。

カフェインの過剰摂取による人に対する影響

カフェインは、神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質と化学構造が似ており、ヒトの体内においてアデノシンが作用を発揮するために結合しなければならない場所(受容体)に結合します。その結果、アデノシンが受容体に結合できなくなることで、その働きが阻害され、神経を興奮させます。

カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。

長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。

カフェインアデノシン
(参考)
オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ):Report from the expert working group on The safety Aspects Of Dietary Caffeine(2000)
https://www.foodstandards.gov.au/publications/Documents/safety%20aspects%20of%20dietary%20caffeine.pdf(PDF : 466KB)

世界保健機関(WHO)

2001年に、カフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料は同じくらいの量のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを、1日3~4カップまでにすることを呼びかけています。
2016年には、妊婦のカフェイン摂取に関する勧告を公表し、1日300 mg 以上の高カフェイン摂取の妊婦では出生時の低体重、流産や死産のリスクが高まる可能性があるとして、それらのリスクを低減するため、1日300 mg 以上の高カフェイン摂取の妊婦に対し、妊娠中はカフェインの摂取量を減らすように注意喚起しています。

コーヒーやお茶の摂取の有用性

  • コーヒーについては、肝がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られています。死亡リスクが減少する理由については明らかになっていませんが、コーヒーに含まれるクロロゲン酸等の多くの抗酸化物質が関わっている可能性が考えられています。

    国立がん研究センター   コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
    https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html

    国立がん研究センター   コーヒー摂取と肝がんの発生率との関係について
    https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/274.html
  • お茶については、緑茶摂取が心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患等による死亡リスクを下げる傾向を示したデータも知られています。こちらについても理由は明らかにされていませんが、緑茶に含まれるカテキンやカフェインが関わっている可能性が示唆されています。

    国立がん研究センター  緑茶摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
    https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3526.html